東京

2011 5月 17
by kanazu



普段からお話する機会が多い方にはお伝えしていますが、5月末に約6年ほど過ごした東京から大阪に引っ越すことになりました。
とはいってもかなりの頻度で東京には来ますので、これまでとあまり変わらず東京の皆さんとお会いすることもあると思います。

子供の頃、「東京」は僕にとって特別な響きをもつ街でした。
歩いて一周15分。そんな村で育った自分にとって、山のようにビルが連なり、波のように家々が立ち並ぶ東京は未知が溢れかえる憧れの街でした。

そして大人になり、それほど期待することもなく住んだ東京は限りなく現実的な街でした。
しかしそこに失望はなく、人々の会話や雑踏の中にも、雪が降る前の匂いや腕をすり抜ける夏の風と等しく大切なものがあると感じることが出来ました。

そういえば小学生の頃の卒業文集に何故か「いつか東京に住む」と書いたことを思い出しましたが、やっぱりこれからも東京は自分の中にあって、そんなに遠くない将来にまた住むことになるような気がしています。
そんなわけでしばしのお別れですが、今後ともなにとぞよろしくお願いいたします。

この生活

2011 4月 4
by kanazu

「お元気でしょうか?」
という何気ない一言が、言葉以上に重い意味をもつ昨今ではありますが、それでもやはり私は「お元気でしょうか?」と問うことを大切にしていきたいと思っています。

寺田寅彦の随筆「柿の種」に次のような一節があります。

 歩きながら、店々に並べられた商品だけに注目して見ていると、地震前と同じ銀座のような気もする。
 往来の人を見てもそうである。
 してみると、銀座というものの「内容」は、つまりただ商品と往来の人とだけであって、ほかには何もなかったということになる。
 それとも地震前の銀座が、やはり一種のバラック街に過ぎなかったということになるのかもしれない。


関東大震災の後に書かれたこの一節を、科学者の客観的な考察と感じることは容易いのですが、私はそれよりも生活のある一人の人間として、同じ地平に立った眼差しから生まれた、人々とその営みへの想いであると感じています。

時間と空間にささやかに、しかし暖かい灯をともすことを、私は続けていこうと思います。
音は、そして私たちの想いは偏在しており、それはすなわちどこにでもあり、またどこにもないものであると思います。
だから私はこの生活をおくり、音を紡ぎ、それが良いカタチで届けばと願っています。

この度の震災に被災された全ての方へ、心よりお見舞い申し上げます。

2011年4月 金津朋幸

近況のご報告

2011 2月 20
by kanazu

椿

前回の記事が「明けましておめでとうございます」のままなので、近況報告などもかねて更新しようと思います。
最近ではTwitterでの報告が多くなっていますが、あちらは遊び半分だったりするのとブログだけ見ているという方もいらっしゃるようですので。

さて、最近はいわゆる「曲」として静的な状態になったものだけでなく、Webを使った少しだけインタラクティブで動的な作品を作っています。
春になるまでには何とか発表したいなと思うものの、音を作ってはその動きにはめ、動きを見ては音をまた作るということになりそうなので、進み方はゆっくりになるのかと。

一方で次回作品のための曲も作っていまして、こちらはより演奏を意識したものになりそうです。

庭の椿には花が咲き、桃の蕾も大きくなってきました。
でも縁側を通る猫とはまだ仲良くなれていません。
もうすぐ春ですね。

2011年 明けましておめでとうございます

2011 1月 4
by kanazu


皆さま、明けましておめでとうございます。
正月は実家でゆっくりと過ごすことができました。思えばここ数年は年末ギリギリまで立てこんでいたので、こんなに長い時間を実家で過ごしたのは久しぶりかもしません。散歩するだけでも色んな発見がある良い時間でした。

さて昨年はおかげさまでアルバムをリリースすることが出来ましたので、今年は次の作品に向けた準備が多くなりそうです。去年の秋ぐらいから新しい曲を書いていますが、徐々にかたちになってきているものもありますので、皆さまにお届けできる日まで頑張っていこうと思います。
それでは今年も皆さまにとって素晴らしい日々が訪れることを願って。

追記:今年もカレンダーは葛西薫さんデザインのものです。これからもおそらくずっとこれだと思います。

2010年 暮れのご挨拶

2010 12月 31
by kanazu



皆さまこんにちは。
年末ということで実家に帰っており、家族や幼なじみたちと久々に話したりする日々です。

さて、今年は自分名義の初めてのアルバムをお届けできたり、それに合せてライブを行ない色んな人に音楽を聴いていただいたりと実りの多い年でした。
そして実りと同時に生まれる様々な責任であったり、これからのことを考える契機にもなった年でした。
ともあれ関わってくれた皆さまに本当に感謝します。

年末なのに暗い話になりますが、僕はこれまで表現の手段として音楽以外を中心にしたいと考えたことはほとんどありませんし、おそらくこれからも無いのではないかと思います。
だからこそ「自分の音楽は存在して良いのか」という意識は原罪の如くあり、これからも消えることは無いのだと思います。そして問い続けることだけが、僕がすべきことだという気持ちは自分の作品を出す前も出した後も変りがありません。

外は雪が降り始めています。
雪が降って寒いと感じるくらいに素朴なことを大切にして、来年も音楽を作っていければ良いなと思います。
それではまた。

追記:
写真は季節はずれですが8月に行った屋久島の海です。来年も色んな場所に行ってみたいと思います。