“Prater”

2010 2月 22
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by kanazu


もう1週間をきってしまいましたが7月21日、ようやく自分の初めてのソロ作品”Prater”を発表いたします。

作品の詳細や関わっていただいたみなさんのことは発売時に書こうと思いますので、
まずはアルバムを作るときに自分の指針として書いたテキストをお伝えできればと思います。
※抜粋版ですがMySpaceで数曲、試聴可能です。
http://www.myspace.com/kanazu/

ヨーロッパ旅行の後、作品制作の指針としてこんなテキストを書きました。

“Praterについて”

プラーターはオーストリアのウィーン市内中心部からやや東に位置する遊園地のことだ。その歴史は古く、18世紀後半に当時の神聖ローマ皇帝ヨーゼフ2世が一般に開放したことに端を発するという。なかでも有名なのは映画「第三の男」に登場した観覧車で、ウィーンの絵はがきにはこの観覧車を写したものが多く見られる。

この作品を作るにあたってふたつのことを考えた。ひとつはグレイということについて。そしてもうひとつは季節についてだ。

善悪、美醜。時として愛情さえもが相対的な存在になる。それが決して答えではないと感じながら、結果という事実は強い力をもって私たちの前に立つ。あらゆる価値はグレイであり、未来を決める局面において「正しい」という判断はほとんど意味をもたない。

私たちの日々はゆらいでいる。
しかし確かに進んでいる。
それを私たちは季節から知る。

雪が降る前の大気の匂い。暖かい朝。腕を流れる風。10月の午後の光。
誰にとっても思い出す「それまで」があり、続いてく「それから」があり、大切なことを既にたくさん知っている。

ゴンドラが登り、降りてくる。地面に降り立った子供は母親に笑顔を見せる。母親は何か言おうとしてやめ、ただ微笑み返す。
観覧車のように空気の上を渡り、私たちは確かに生きている。

音楽を言葉を使って語ることは決して好ましいことばかりではないと思います。
それでもやはり、作品に対する気持ちの一端が伝わる可能性はゼロではないと考えてテキストを載せました。

参加してくれた方、聴いてくださる方、自分だけでは決して形を成すことがなかった何ものかを音楽にしてくれた全ての方への感謝を忘れずに、これからも精進していこうと思います。

レコーディング

2009 12月 24
by kanazu

ここ数ヶ月ほどレコーディングをしています。
年内に作って、来年にリリース予定でこんな感じ。
http://6024.teacup.com/silence/bbs/285
ちなみにドラムのしんちゃんこと杉田君のTシャツはブルガリア製らしいですよ。流石です。

レコーディングのきっかけはエンジニアの林さんに大阪市旭区の名店、松久で「そろそろ自分のも作ったらどやねん」と言われたこととか、ヨーロッパ旅行に行ったこととか色々とあるんですが、それは追々。

アルバムという、ある単位を作るとなるとそれなりに考えることがありまして。
主に価値観、というか在り方ということについてです。

最近、特に東京なんて所に住んでると、善と悪、真と偽、美と醜
そして愛情さえもが相対的な位置づけしかもたない、ような気がしてきます。
それが良いとか悪いとかではなくて、日々を取り巻く感情や思考のほとんどが、どうしようもなくグレーなものに思えてきます。
ただ、逆説的ですがグレーであり続けることは、人が生きていく中で切り離せない側面のうちのひとつではないでしょうか。

転じて音楽。
それは一方に進む時間の中で存在するものでありながら、時としてそこにはない記憶を、
優しく、郷愁をもって伝えてくれます。
雪が降る前の匂いとか、夏の朝の草いきれとか、音楽はまるで季節のように流転しながら、同時に一方に進んでいます。

循環と不可逆的、過去と現在と未来。
そういう繋ぎようのないものを紡ぎあげるのが音楽なのだと。

拠り所やきっかけになるのは、神や宗教的なる、大仰なものだけではなく、
誰しもの身近にある、季節や音楽なのではないだろうか。 そうなればいい。

などと考えながらもう年末です。
少し早いですがみなさま良いお年を。

チェコのブルース

2008 12月 29
by kanazu

チェコのブルースマン

今回の旅では音も録ってきました。それぞれの国の路上に溢れる音楽はどれも素晴らしく、月並みな感想ですが音楽の楽しみ方、自分と音楽の関わり方を考え直す良いきっかけになったと思います。

踊るためのビート、男女のためのメロディー、研究室から生まれる音列。世界にはたくさんの音がありますが、人と人が交わる路上での音もとても魅力的です。

そんなわけで第一弾はこちら↓

<カレル橋の上のブルース>

※前を人が通りまくるので位相が変わりまくりですが、それはあえてそのままで聴いてくださいませ。

ウッドベースとアコギ、ラッパのベルみたいな拡声器を使ったブルースハープ&ボーカルの3人組。チェコ語なのか、チェコ語訛りの英語なのかよくわからないハイでしゃがれたボーカルと、どこか東欧っぽいギターが渋かったです。

世界のどこで聴いてもブルースでありながら、その国の雰囲気を感じさせるというのがブルースなんだと思います。

路上の音楽、血と骨からにじみ出る音楽、悪魔の音楽。

ハンガリー ブダペスト

2008 12月 27
by kanazu

ブダペストの橋

<最も西にあるアジア>

チェコから電車で6時間かけてハンガリーの首都ブダペストへ。
正直なところハンガリーはついでに行っとくかという気持ちだったんですが、結果的にはこの旅で一番良い街だったかもです。

街並はチェコよりも東っぽいというかアジアっぽい感じで、「最も西にあるアジア」と呼ばれているらしいです。オレンジとか緑とか赤がチェコよりはちょっと多い印象。

ハンガリー人は黒髪で緑っぽい目をしている方が多いんですが、子供のころに尻に蒙古斑があり、元々はモンゴロイドだそうな。ちなみにハンガリー語は確かにイントネーションはアジアっぽいのですが、この旅で最もわからん言葉でした。何回も地下鉄に乗りましたが、最後までひとつの駅名も聞き取れませんでした。
しかしチェコ同様にみんながとても親切。でもけっこう大雑把というか田舎っぽい感じで、それが良かったです。
※上の写真がスライドショーになってるのでクリックしてみてください。

<ハンガリーの食べ物>

端的にいうとハンガリーの食べ物はパプリカに尽きます。何を頼んでもパプリカが入っている、というかベースがパプリカ味です。
グーヤッシュていう煮込みというかスープみたいなのがあるんですが、たまに自分が家で作っているのと同じ味でした。自分ではスペイン料理だと思って作っていたんですが実は知らないうちにハンガリー料理を作ってたことがわかりました。

あとはフォアグラが有名で安い。大体、一皿1500円くらいで山盛り。しかしパプリカ味。そしてフォアグラはそんなに大量に食べられないことも改めてわかりました。

飲み物はワインが有名らしく店によってはグラスワインが水より安かったので酔いまくり。

ブダペストの聖堂

<世界一の夜景>

ハンガリーで最も素晴らしかったのが夜景。
「世界一の夜景」やら「ドナウ川の真珠」なんて言われているけど正直なところ「いやいや大したことないやろ」と思ってました。が、これまで見た夜景の中で最も美しかったです。

ゲッレールトの丘というところから市街が360度見渡せるのですが、季節は12月。そんな寒い時期に夜景を見に行く人はいないらしく広い丘の上に一人。忘れられない風景となりました。

普通は丘の上までバスで来るらしいんですが徒歩で来てしまい、帰り道で迷いました。迷っていたら駐車してあった車の中で男女がコトに及んでおり、あらためておおらかな街だと実感。あんまり関係ないか。

物価も安く、人もおおらかなハンガリー。日本人だとあんまりイメージわかない国ですがかなりオススメです。

チェコ プラハ

2008 12月 23
by kanazu

チェコの子供

<プラハの街並>

チェコなら姉にチェスキー・クルムロフなる街が良いとの情報を聞きつつも結局、首都のプラハに行ってきました。

プラハは旧市街全体が世界遺産というだけあって、どこを見ても懐かしく、味わい深い風景が続いています。特に定番スポットですがプラハ城がある丘(といってもかなり広く、城下町が丘の上一帯に広がっています)から見る風景はまさに絶景。
※上の写真がスライドショーになってるのでクリックしてみてください。

<チェコの人々と食べ物>

日本人とちょっと似ているというチェコ人ですが、なんというかその通りでした。
日本といっても東北とかあっち方面の人に近く、寒さのせいか基本的にみんな下向いて歩いています。でも話しかけるとボソボソと、しかし親切に色々と教えてくれます。あとは英語は若い人にならほぼ通じるようでした。

食べ物は肉、特に豚肉がメインです。あとビール、なんといってもビール。安いとこだと生中くらいの量で160円くらいでした。そしてすごく美味い。地元の人が集うらしいピヴニッツェ(ビアホール)に行きましたが、皆が下向きながら黙々とビールを呑んでました。人気なのはピルスナー・ウルケルというビールらしい。
ちなみにヨーロッパでは常識なのかもしれませんが「1」を数えるときには人差し指ではなく親指を立てるんですね。店員と目が合って親指を立てられたので「美味いか?」と聞かれてると思いうなずいたら、もひとつビールが出てきました…。

ショーウィンドウのカフカ
<カフカと不条理>

日本ではあんまり考えにくいことですがお土産から古本までカフカがいまだに街中に溢れてました。日本なら川端康成が街中に溢れてるみたいなもんなので、よく考えたらすごいです。

パッと見たところではどこもきれいな街並なんですが、どこか変なところだ多いのもチェコの魅力かと。そんなわけで上の写真もスライドショーになってますんで見てやってください。カフカ記念館の小便小僧、というか小便人間?の不条理具合はさすがです。

総括するとチェコは歴史と現在が混在し、それが何故か心地よく歪んでる、そんな良い街でした。